数の概念を育てる遊び|幼児〜年長、数える・比べる・分けるを生活の中で

「数字はまだ書けないけれど、数の勉強を始めたほうがいいのか」。年中〜年長の保護者からよく聞く迷いです。この記事では、数字を書く練習とは別に、数える・比べる・分ける経験を生活の中で重ねることを扱います。それは机に向かう「勉強」ではなく、おやつと階段と洗濯物でできます。

幼児期は「親しむ」時期

幼稚園教育要領(平成29年告示)の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」には、「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」があり、「遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ね」「興味や関心、感覚をもつようになる」とされています。この姿は「教師が指導を行う際に考慮するもの」であって、到達目標やチェックリストではありません。

一方、小学1年の算数は「ものとものとを対応させることによって、ものの個数を比べること」「個数や順番を正しく数えたり表したりすること」から始まります(学習指導要領 第1学年 A数と計算)。幼児期の遊びは、ここに自然につながります。

数に親しむ4つの遊び。いちごを1つずつ数える、2列に並べてどちらが多いか比べる、5個を2個と3個に分ける、前から3番目を見つける。

数える

  • おやつ:「いちごは何個?」。1つずつ指で押さえながら数える。ものと数を1つずつ対応させて数える活動です
  • 階段:上りながら「1、2、3…」。10を超えたら、11からもう一度数え直す遊びも
  • お風呂:「10数えたら出よう」。数の並びを声で覚えます

数え間違えたら、「もう1回数えてみる?」と一緒に数え直す方法があります。

比べる

  • どっちが多い:2つのお皿にクッキーを分けて「どっちが多い?」。数えずに見た目で答えてもよいし、1個ずつ並べて比べてもよい
  • 同じにする:「同じ数にするには、どうする?」。多いほうから移す、という操作が「差」の入口です
  • **数あそびプリント(F01)**の2枚目「どっちがおおい」は、この遊びを紙にしたものです

分ける

  • 配る:「3人に同じ数ずつ配って」。余りが出たときの「あまった!」が、わり算の何年も前の経験になります
  • 半分:おにぎりやりんごを半分に。「半分」という言葉と操作を結びつけます
  • 5を分ける:「5個を2人で分けたら?」。同じ数にならないことも、大事な発見です

順番

「前から3番目」「上から2段目」。集まりの個数(3個)と順番(3番目)は、同じ「3」でも意味が違います。1年生で「個数や順番を正しく数えたり表したりする」ことを扱うので、生活の中で両方の言い方に触れておきます。

声かけで気をつけたいこと

  • 「できた・できない」で評価しない。年齢を期限にしない
  • 数字を書かせようとしない。書く練習は、数の感覚とは別のこと
  • 間違いを説明で直さない。ものを動かして一緒に確かめる

教材が必要か

この時期に必要なのは、教材よりも「数に出会う場面」です。それでも毎日の声かけを続ける自信がない、という家庭は、遊びの題材が毎月届く教材が助けになることがあります。その場合も、まず無料プリントや各社の無料見本で「親の準備と付き添いがどのくらいか」を確かめてから選ぶことをおすすめします。教材比較表とお試し比較を用意しています。

学年ごとの見通しは、算数で習うことにまとめています。