小学生の英語はいつから?|親世代との違いと年長〜小2の家で
小学校の英語は、3年生の「外国語活動」から始まり、5年生から教科の「外国語」になります。1・2年生には、決められた英語の時間はありません。
親が小学生だったころとは、ここが大きく違います。中学校の授業の進め方や、大学入試の英語の配点も変わっています。この記事では、小学校・中学校の学習指導要領(平成29年告示)と大学入試センターの資料で確かめられることを、学年の順に整理します。
小学校の英語は3年生から
学校教育法施行規則の授業時数の表(小学校学習指導要領の冊子に収録)では、英語にあたる時間は次のとおりです。小学校の授業時数の1単位時間は45分です。
| 学年 | 学校での英語の時間 | 年間の授業時数 | 「読むこと」「書くこと」の領域 |
|---|---|---|---|
| 1・2年 | なし | — | — |
| 3・4年 | 外国語活動 | 35 | なし |
| 5・6年 | 外国語(教科) | 70 | あり |
学習指導要領は、外国語活動・外国語とも、英語を扱うことを原則としています(中学校も同じ)。
1・2年生のあいだは?
授業時数の表では、1・2年生に外国語活動・外国語の時間はありません。通っている(通う予定の)学校で、ほかの時間に英語に触れる機会があるかどうかは、学校によって違う可能性があるので、学校の説明で確かめてください。
3・4年生は「聞く・話す」、5・6年生で「読む・書く」
3・4年生の外国語活動は、「聞くこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」の三つの領域で目標が決められています。全体の目標の一つは次のとおりです。
外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
文字については、「聞くこと」の目標に「文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする」とあります。
5・6年生の外国語は、これに「読むこと」「書くこと」が加わり、五つの領域になります。読み書きについては、「音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして」と書かれています。語や表現は、音声で十分に慣れ親しんでから読んだり書いたりする、という順番です。
小学校で扱う語は、「第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に取り扱った語を含む600〜700語程度の語」です。
中学校は「授業は英語で行うことを基本とする」
同じ冊子の中学校の授業時数の表では、外国語は各学年140単位時間(1単位時間50分)です。中学校学習指導要領(平成29年告示)は、授業の進め方について次のように書いています。
生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること。
中学校で扱う語は、「小学校で学習した語に1600〜1800語程度の新語を加えた語」です。
大学入試:共通テストの英語はリーディング100点・リスニング100点
大学入試センターの「令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」では、英語は【リーディング】80分(100点)と【リスニング】60分(うち解答時間30分、100点)です。受験者は原則として両方を受けます。
問題作成方針は、英語について次のように書いています。
共通テスト「外国語(英語)」は,「リーディング」形式と「リスニング」形式の問題を通して,文字や音声による試験の特徴を生かしながら,以下のように可能な限り総合的な英語力を評価する。
このあと、目的や場面に応じて概要や要点、話し手や書き手の意図などを的確に理解する力と、理解した情報や考えを整理したり判断したりする力を重視する、と続きます。音声や語彙・表現・文法などの知識や技能も、「上記の力を問うことを通して引き続き評価する」とされています。リスニングの読み上げは、「1回読みと2回読みの両方の問題を含む構成で実施することとする」とされています。
大学が入試でこの点数をどう使うか(そのまま使うか、比率を変えるか)は、各大学の募集要項で確かめてください。
親が習った英語とどう違うか
保護者が小中学生だったころの学習指導要領によって違いますが、たとえば平成14年度(2002年度)から実施された学習指導要領(平成10年告示)と、今の学習指導要領を比べると、次のとおりです。
| 項目 | 平成10年告示(2002年度〜) | 平成29年告示(今) |
|---|---|---|
| 小学校の教科に「外国語」があるか | ない | ある(5・6年) |
| 中学校の外国語の年間授業時数 | 105 | 140 |
| 中学校で扱う語 | 900語程度まで | 小学校の語に1600〜1800語程度を加えた語 |
| 中学校の授業を英語で行うことを基本とする | 定めなし | 定めあり |
平成10年告示の105は必修教科の時数です。ほかに学校は、外国語を選択教科として置くこともできました。
平成10年告示の小学校学習指導要領では、教科は国語・社会・算数・理科・生活・音楽・図画工作・家庭・体育で、外国語はありませんでした。総則には、総合的な学習の時間について、「国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは、学校の実態等に応じ、児童が外国語に触れたり、外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること」とあります。
その後、平成20年告示の学習指導要領で、「平成23年度から小学校第5・6学年に週1コマ(年間35単位時間)の外国語活動が新たに導入されることとなった」と文部科学省は説明しています。今の形(3・4年が外国語活動、5・6年が教科)になったのは、令和2年度(2020年度)からです。
大学入試も変わりました。大学入試センター試験の最後の年(令和2年度試験)の英語は、【筆記】80分(200点)と【リスニング】60分(うち解答時間30分、50点)でした。今の共通テストは、リーディングとリスニングが100点ずつです。
年長〜小2の家では(編集部の提案)
ここからは編集部の提案です。学習効果を約束するものではありません。
- 1・2年のうちに先取りを急がなくて大丈夫です。 学校で英語の時間が始まるのは3年生からです。
- 始めるなら「聞く」から。 学校の英語も、音に慣れ親しむところから始まります。英語の歌や絵本の読み聞かせ、動画など、子どもが楽しめるもので音に触れる程度で構いません。
- アルファベットの書き取りは急がなくて構いません。 学校では、音で慣れ親しんだ語を、5・6年で読んだり書いたりします。
- 親が英語を話せなくても大丈夫です。 音声つきの絵本や動画を一緒に聞くだけでも、英語に触れる時間はつくれます。
英語の教室や教材を考えるときは、次の点で比べると、わが家に合うかが見えやすくなります。
- 何をするか:聞く・話すが中心か、読み書きまでするか
- どのくらいの頻度・時間か:週何回、1回何分か
- 親が何をするか:送り迎え、付き添い、家での復習の手伝いがどのくらい要るか
- お試しがあるか:体験レッスンや見本で、子どもの反応を確かめられるか
入学前の勉強全体については入学準備の勉強はどこまで?、家庭学習の始め方は家庭学習は何から始める?にまとめています。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章第10節 外国語、第4章 外国語活動、学校教育法施行規則 別表第一(授業時数)。同じ冊子に収録の「中学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章第9節 外国語、授業時数
- 大学入試センター「令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」「令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」
- 大学入試センター「令和2年度大学入試センター試験 出題教科・科目の出題方法等」「大学入試センターと入試改善(沿革)」
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成10年12月)」目次・第1章 総則
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成10年12月告示、15年12月一部改正)」授業時数・第2章第9節 外国語(平成15年一部改正後の版。比べた項目は告示当初の本文と同じ)
- 文部科学省「小学校外国語活動の教材整備事業」