入学準備の勉強はどこまで?時期と鉛筆の持ち方|年長・小学校入学前
この記事は、小学校の入学準備のうち勉強面の話です。ランドセルや文房具などの持ち物は、学校から届く案内がいちばん確かなので、そちらに合わせてください。
先に結論です。
- ひらがなの読み書き、鉛筆の持ち方、数の数え方は、入学してから学校で習います。入学前に全部できている必要はありません。
- 家でしておくとよいのは、先取りの練習よりも、文字や数に生活の中で触れておくことです。
- 鉛筆の持ち方は、家では「書いている先が見えているか」を一緒に確かめるくらいで構いません。
学校は「入学前にできていること」をどこまで前提にしているか
小学校学習指導要領の総則は、幼児期の教育とのつながりについて、次のように書いています。
特に,小学校入学当初においては,幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが,各教科等における学習に円滑に接続されるよう,生活科を中心に,合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など,指導の工夫や指導計画の作成を行うこと。
入学したばかりの時期は、幼児期に遊びを通して育ったことを土台にして、学校の側で学習へつないでいく、という考え方です。
幼稚園教育要領には「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が10項目あり、その一つが「数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚」です。ただし幼稚園教育要領解説は、この姿が「到達すべき目標ではない」こと、「全ての幼児に同じように見られるものではない」ことに留意するよう書いています。入学までに全部そろえるチェックリストとして使うものではありません。
入学後に学校で習うこと
ひらがな
小学校学習指導要領解説 国語編は、「平仮名の読み書きについては,各教科等の学習の基礎となるものであり,第1学年でその全部の読み書きができるようにする必要がある」としています。1年生の1年間で全部、という書き方です。
教科書の年間指導計画(東京書籍・光村図書の国語1年)でも、1年の4月に文字を書く単元が置かれています。実際に扱う時期は学校によって異なります。
鉛筆の持ち方と、書くときの姿勢
学習指導要領の国語(第1学年及び第2学年)には、書写の事項として「姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと」があります。
書写の教科書の年間指導計画では、光村図書が1年の4月に「えんぴつの もちかた」、東京書籍が同じく4月に「かきやすい もちかた」を置いています。
数と時計
算数の1年の内容は、「ものとものとを対応させることによって,ものの個数を比べること」「個数や順番を正しく数えたり表したりすること」から並んでいます。時計は、1年で「日常生活の中で時刻を読むこと」を扱います(家での関わり方は時計の読み方の記事)。
どれも、学習指導要領で1年生の内容として示されていることで、入学してから学校で扱います。
入学前に家でしておくとよいこと
ここからは編集部の提案です。全部でなくて構いません。机に向かう時間をつくらなくても、生活の中でできます。
- 自分の名前の字を探す:持ち物に書いた名前、絵本や看板の中から同じ字を見つけます。書けなくても構いません。
- 数える・比べる:おやつやおもちゃを数える、「どっちが多い?」と聞く。算数の1年の最初に並んでいる内容(ものの個数を比べる・数える)と同じ種類のことです。紙でやるなら数あそびプリント(F01)。
- 鉛筆やクレヨンで絵をかく:字を書く練習の前に、鉛筆を持つ時間をつくります。迷路やぬり絵でも構いません。
- 時計を見て動く:「長い針が6になったら出かけよう」のように、生活の中で時計を使います。
- 書きたい字だけ書く:子どもが書きたがる字があれば、あいうえお表(F04)を横に置いて一緒に書きます。全部を順番に練習する必要はありません。
幼稚園教育要領解説は、文字について「生活と切り離した形で覚え込ませる画一的な指導ではなく,一人一人の興味に合わせ,遊びなどの中で,その幼児が必要に応じて文字を読んだり書いたりする楽しさを感じる経験を重ねていくことが大切である」としています。家でも同じ考え方で進められます。
時期の目安(年長の秋〜3月)
入学準備の勉強面に、「何月から始めないといけない」という決まりはありません。この記事では、年長の秋からの目安を置きました。
- 年長の秋:上の「家でしておくとよいこと」を、生活の中で少しずつ。
- 1〜2月:時計を見て動く場面を増やします。書きたい字があれば一緒に書き、絵本も一緒に読みます。
- 3月:起きる時刻を、学校のある日に合わせていきます。歩いて通う場合は、通学路を一緒に歩いておきます。鉛筆の持ち方は、次の章の3つを一緒に見るくらいにします。
就学時健康診断や入学説明会などの時期は、自治体や学校によって違います。学校から案内が届いたら、持ち物と入学までの予定はその案内に合わせてください。
鉛筆の持ち方:家で見るのは3つだけ
学習指導要領解説 国語編は、書くときの姿勢と鉛筆の持ち方を次のように説明しています。
- 姿勢:「背筋を伸ばした状態で体を安定させ,書く位置と目の距離を適度に取り,筆記具を持ったときに筆先が見えるようにすることが重要である。」
- 持ち方:「持ち方を正しくするには,人差し指と親指と中指の位置,手首の状態や鉛筆の軸の角度などを適切にすることが必要である。」
- 2つの関係:「正面からでは筆先が見えないような持ち方で書く児童は,横から紙面をのぞき込む姿勢をとる。」
指の位置や鉛筆の角度などの細かい形は、入学後に書写の時間で習います。家では、形を細かく直すより、次の3つを一緒に見てください。
- 親指・人差し指・中指の3本で持っているか
- 書いている先(鉛筆の先)が、正面から見えているか
- 背中を伸ばして、紙に顔が近づきすぎていないか
持ち方のくせが気になっても、書くたびに言い直すより、書き始める前に一度「先が見えるかな」と声をかけるくらいにします。入学後は、学校で習った言い方を子どもに聞いて、家でも同じ言い方を使うと、家と学校で言うことがそろいます。
持ち方を補助する道具も売られていますが、この記事では比べていません。使うかどうかは、入学後に担任の先生に相談してから決める方法もあります。
入学前にしなくていいこと
- ひらがなを全部、書き順どおりに書けるまで練習させること。1年生で習います。
- 「入学してから困らないように」と、机に向かう時間を急に増やすこと。
- 入学準備のドリルや教材を何冊もそろえること。今は買わない、も結論です。
- 英語の先取りを急ぐこと。学校で英語の時間が始まるのは3年生からです(小学生の英語はいつから?)。
教材を試してみたい場合は、買う前に5日間のお試しプランで、わが家で続く形を確かめてから選べます。
学校で習うことの全体
入学後の1年生・2年生で学校が何を扱うかは、次のページにまとめています。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第1章 総則、第2章第1節 国語、第3節 算数
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」
- 文部科学省「幼稚園教育要領」
- 文部科学省「幼稚園教育要領解説」
- 東京書籍「国語1年 年間指導計画」「書写1年 年間指導計画」、光村図書「国語1年 年間指導計画」「書写 各学年の指導事項と授業時数の配当(第1・2学年)」(いずれも令和6年度)